下蒲刈町は、古くから瀬戸内海の海上交通の要衝として栄えてきた町で、江戸時代には朝鮮通信使も立ち寄った地です。
豊かな自然と日本古来の風習を生かしたガーデンアイランド構想の一環として「松濤園」が整備されました。
松濤園は三之瀬の海を背景に松を主樹とした、みどり豊かな落ち着きのある庭園です。
この庭園の中には、伝統建築物を移築して作られた資料館があり、その中には、全国でも唯一の朝鮮通信使資料館である、
「御馳走壱番館」があります。
松濤園に入ると、まず、目に入るのが、メインの朝鮮通信使資料館(御馳走一番館)です。
園内には、そのほかにも、蒲刈御番所やあかりの館、陶磁器館、庭園などがあります。
園内には、富山県から移築した商や作りの重厚な建物を使用した朝鮮通信使資料館の「御馳走一番館」や、
安芸の宮島の門前町にあった町屋を使用した「陶磁器館」、山口県の上関から移築した旧家を使用した「あかりの館」
等の資料館と、江戸時代に設けられていた「蒲刈御番所」の復元建築物があります。
松濤園に入ると、まず、目に入るのが、メインの朝鮮通信使資料館(御馳走一番館)です。
園内には、そのほかにも、蒲刈御番所やあかりの館、陶磁器館、庭園などがあります。
松濤園の中にある、朝鮮通信使資料館(御馳走壱番館)の建物は、明治中ごろに建てられた富山県の代表的な商家作りである「有川鄭」を移築したものです。
館内には、通信使の行列人形を配したジオラマ模型や精密に再現された1/10の朝鮮通信使船の模型など、全国から集めた朝鮮通信使に関連した資料が多数展示されています。
展示内容の一部は、季節などにより変更されるため、何度足を運んでも、違った資料を見ることが出来ます。
また、常設展示では、朝鮮通信使が来日の際に、江戸において尋ねられた時「安芸蒲刈御馳走一番」と答えたとされることから、豪勢だった朝鮮通信使のおもてなし料理の模型が展示されています。
正徳年における通信使往来の際、立ち寄った数々の御馳走の様子を尋ねられた対馬藩主は、「安芸灘御馳走一番」と言って、蒲刈の御馳走が一番だったと答えたと言われています。これにちなんで、資料館の名前が「御馳走一番館」となっています。
朝鮮通信使の一行に振舞われたという、当時の最高のおもてなしのお膳が三汁十五菜です。
資料館には、この三汁十五菜の模型も展示されています。
食事と同様に、毎度ふるまわれた忍冬酒(スイカズラを使ったお酒)も通信使に好評でした。
寛永12年度の通信使の一員であった趙龍州は次のような意味の漢詩を残し、高く評価しています。
忍冬酒は蒲刈から出ているが、
玉椀にもって琥珀が濃まやか
しばらく唇に入ると李白がうたったように大道に通じる
一石も呑んで奇才の胸中を吐くことなんかいらない、ほんの少しでこと足りる
昔中山では一飲千日も酔うという酒を作ったとて有名だが、これも伝説にすぎないし山中の酒作りなんかもこの蒲刈のにくらえるとまるで小さな属国にすぎぬ
どこでかこの蒲萄が漢の使者に随って中国に伝わったおに、忍冬酒の秘伝が伝わって、こうした香りよき、こき酒がさかづきに満ちたのであろう
左の写真は、上記の漢詩を刻んだ石碑。(松濤園内)
御馳走壱番館を入ってすぐに設置されている、1/10の朝鮮通信使船の模型は、本物の朝鮮通信使船を精密に再現しています。
蒲刈本陣とその付近を府を復元し、通信使の行列人形を配したジオラマ模型です。
下蒲刈にやって来た通信使一行の行列を再現しています。
当時の様子が目に浮かぶようです。
当時通信使をもてなした、豪華な饗応料理を再現した模型に目を奪われます。
館内にずらっと並ぶ当時の饗応料理に圧倒されます。
こんなにたくさんの当時の料理を見ることが出来るのは、ココだけ!
必見です!
模型だけでなく、当時の文献から詳細な献立や使われた材料などの説明が細かく紹介されています。
日本では、普段行われていない料理のため、動物の肉を調理する様子などの記録が紹介されています。
当時、日本では、四足の動物の肉はあまり食されていませんでしたが、通信使来日の際には、接待のために、特別に料理されたと言われています。
盛大な料理のため、あわただしい調理場の風景がリアルに描かれています。
登場人物の表情が、とても印象的です。
通信使の中には、正史を含む役職者以外にも随行で文人や楽団、小童まで、様々な分野の人が来日しました。
その人々の服装などにも皆が興味を示していたようです。
朝鮮通信使の海上での移動が描かれている絵巻物です。
総勢500隻にもおよぶ大船団の様子が描かれています。
蒲刈本陣とその付近を府を復元し、通信使の行列人形を配したジオラマ模型です。
当時の様子が目に浮かぶようです。
館内には、等身大の通信使の礼服姿や普段着姿の模型があります。
当時の日本人には、全てが珍しいものであったようです。
通信使が江戸に到着し、将軍に謁見している絵です。
この他にも多くの展示物から、当時の規模や華やかさが伝わります。
朝鮮通信使資料館から出て、御番所跡へ向かう道です。
季節の花や植え込みが奇麗です。
松濤園の海側には、遊歩道があり、海と「蒲刈大橋」の風景がとても美しいです。
遊歩道から壁越しに見た御番所です。
昔の雰囲気が楽しめます。
園内には、いたるところに、蒲刈にちなんだ漢詩の石碑が設置されています。
漢字の解説もあるので、是非楽しんで下さい。
海側にまっすぐ伸びる遊歩道を歩くと、とても気持ちが良いです。
この風景は、昔にタイムスリップしたような気分になります。
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